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夏の暑い時の剣道の稽古は大変でした。

一度面を着けると休憩までの1時間程は面をはずせません。
暑くて疲れたからと言って休憩できるわけではありません。

休憩時間になっても当時なぜか道場で水分を取ることは許
されていませんでした。

そこで、警察の道場で稽古していた小学校低学年の頃は、
水道が薄暗く汚いトイレにしかなかったので、トイレでお
しっこをしに行く振りをして、口をすすぎながら一口、二
口飲むしかありませんでした。

小学校高学年になると市内に体育館が完成し、ロビーに設
置された冷水機の水を飲むことができましたが、一度に大
勢の子供が殺到するので、出遅れると生ぬるい水道水を飲
むことになりました。

休憩時間に仰向けに寝転がり夢見ることは、冷たいジュー
スの風呂に体を沈めて、思う存分ジュースを飲むことでした。

面を着け始めた頃、現在多くの剣士がしているように面
金の一番下から紐を結び始めるのではなく、面金のてっ
ぺんから結び始めていました。

この結び方だと面金のてっぺんから首の後ろに回し、そ
して喉元へ、また首の後ろへ戻り面金のてっぺんで紐を
交差させ、最後に首の後ろで結びます。

この結び方をしたことのない人がこの説明を読んでもな
んのことかさっぱりわからないと思いますが、現在も続
けています。

欠点は面紐を結ぶのに非常に時間がかかることです。
面を着けるのが遅いと面を着けている最中、先生に竹刀
で頭を思いっきりたたかれます。

頑張って早く着けるとその分早く先生の前に並ぶことに
なり稽古をサボれません。

その時間的兼ね合いが難しいのですが、ある時自分でも
驚くほど早く「面を着けてしまった」ことがありました。

それを見た先生が、まだ面を着けている最中だった兄の
頭を竹刀でたたくように命じました。

命じられるままにここぞとばかり竹刀で兄の頭をたたい
たものの、実は私の面の結び方が間違っていて、結んだ
後の紐が背中に長く垂れ下がっていたのでした。

小学校4年生頃だったでしょうか。
初めて夏合宿に参加しました。

稽古場所は市内の中学校の体育館で、宿舎はお寺でした。
剣道の先生の中にお坊さんがおられて、そのお寺を宿舎
として提供してくれたのでした。

稽古内容は全く覚えていませんが、昼間は木刀でのスイカ
割りをしました。

きれいに真っ二つとはいかず、ぐちゃぐちゃになったスイ
カを頂くことになりました。

夜はお寺の裏の墓地で肝試しです。墓地に隠された紙切れ
を探して持ち帰るのですが、すぐ見つかる場所に置いてあ
り拍子抜けしました。

雨戸や障子が全開で蚊に悩まされながら、お寺の板の間で
雑魚寝したのが、初めての夏合宿の思い出でした。