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番外「池袋 建武堂」

中学校の部活動で剣道を始めるに当たり、道具を揃えなければいけません。

同級生であり、剣道の師匠でもある双子の栗田兄弟が教えてくれた
武道具屋さんは、隣町の池袋にある「建武堂」でした。

当時の建武堂は、硝子の引き戸だった記憶があります。

引き戸を開けると、土間の奥の畳の上で親父さんが竹刀を組んでいる。
そんな光景が、今でも目に浮かびます。

高校時代に訳あって剣道から離れた会長先生が、大学を卒業した数年後
たまたま建武堂の前を通り掛かり驚きました。

あの「引き戸」の建武堂が、なんとも立派な「ビル」になっていたのです。

事あれば訪れる池袋ではありましたが、賑わう通りから一本入った
建武堂を、偶然通ったその時まで見る事はありませんでした。

あれから40年近く経ち、時折立ち寄る建武堂の扉を開けると
あの頃と変わらない笑顔で、今もあの親父さんは迎えてくれるのです。